時々お問合せがあるのですが「古材で50角程度の細い材料は無いんですか?」というご相談が寄せられます。
確かに古材で細い角材はレアもので、なかなかありません。
例えば古民家から細い角材が採取できそうな部分は垂木(タルキ:軒下にみえる細い角材)ぐらいでしょうか?
しかし、この手の細い材料はガッチリ釘などで止められていたり、解体時に折れてしまったりと、取り外すことがかなり困難な為、もともと数が少ない上にさらに採取も困難という事で、レアものになっています。
しかし今回、和風の飲食店の店舗の垂木として使用するので、どうしても細い古材角材が必要とのご相談があり、策を練りました。。。
まず、最初にご提案したのがこちらです。
ユーズドプレーン(古材足場板)200 x 35 をカットして、35 x 45 にしたものです。
垂木は3面が見えますので、3面が古材面になるようにということで35厚の板材の端ををカットしたのです。
また今回、和風の店舗、ということもあり、国産の杉材ということも考慮に入れて作りました。

お客様に見せたところ、
「風合いいいけど、やっぱり垂木にしては細すぎるかな。。。」
「今回はちょっと太めの 45 x 60 ぐらいにしたいのよね、、、」
とのこと、やはりそうですね、垂木といえば最低でも 45 x 45 ぐらいありますからね、、、
35 x 45 ではやはり細すぎるか、、、
国産古材では 45厚の板というものはほぼありませんから、さあ困りましたね。。。
そこで、国産古材の大きな角材をカットした製材品でご提案することにしました。
3面古材面の確保が難しいので、1面のみ古材面にして、2面は製材面となってしまいます。
製材面をそのまま残したのではでは、古材感に欠けるので、ブラッシングやサンディング処理など、今までの経験を生かして表面の風合いを整えました。
さらに、塗装を施して、できあがったのがこちらです。
色は3色、塗料も試行錯誤して作ってみました。
サイズはお客様の希望どおり、45 x 60 です。
早速お客様に提案です。これでいかがでしょう!?
「なかなか、やるじゃない、色は他の柱や梁の古材とのバランスで決めよう、これでOK!」
「新材のエイジング加工でもよかったけど、やっぱり1面でも古材面が残っていたり、材料の素材感は、古材の方が上だね」
とのこと、なんとかご要望にお応えすることができホッとしました。
難しい寸法でも、古材という素材にこだわり、これからも皆様にご提案を続けていきたいと思います。
「古材の本質を見極め、その素晴らしさを表現し、皆様へお伝えすることが私たちの使命です。」
これが私たちのモットーです!