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古材は、長年使い込まれたことで生まれる独特の風合いが人気で、多くの商業施設や住宅に採用されています。
しかし、「どこで買えるの?」「どうやって選べばいい?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?古材は一点ごとに個性があるため、適切な選び方を知ることが大切です。
本記事では、古材業者の選び方やそれぞれの特徴や取り扱い商品をご紹介します。また、古材の種類や用途、施工事例、購入時のポイントについても詳しく解説しますので、理想の古材選びにお役立てください。
そもそも古材とは?
古材とは、築60年〜70年以上の古民家や倉庫などを解体する際に取り出された木材のことです。古材の魅力は、長年使われたことで生まれる独特の風合いや味わいにあります。新材にはない深みは空間に特別な雰囲気を演出してくれるでしょう。
また、古材の多くは無垢材です。化学物質の影響が少ないため、シックハウス症候群の不安も軽減できます。環境に優しく、デザイン性に優れた古材は、住宅や店舗のインテリア、家具など幅広い用途で活用されています。
業者選びの基本ポイント:後悔しないための実践的チェックリスト
「古材はどこで買っても同じ」ではありません。実際には、品質・供給体制・環境配慮・価格設定に至るまで、業者ごとに大きな差があります。ここでは、単なる理論でなく、実際に現場で“失敗しないため”に押さえておきたい具体的な判断基準を紹介します。
品質のいい古材を取り扱っているか?
古材は「古いから味がある」のではなく、「保存・管理が適切だったから味わいが残っている」ものだけが価値ある古材です。
確認すべきは以下のポイント:
表面の割れ・反り・節の状態:美観だけでなく、施工時の安定性にも影響。
虫食い痕や腐朽の有無:小さな穴でも木材内部に虫害が進行しているケースがあります。
水分含有量(含水率):高すぎると施工後に割れや変形の原因になります。信頼できる業者は出荷前に計測しています。
✅ チェックリスト:
現物確認または詳細な写真提供があるか
検査済み証明書の提示が可能か
過去にトラブル報告がないか(SNS/口コミも有効)
加工の有無とその質も重要です。
古材の加工済み=手間が減る反面、質も左右されます。
たとえば「古材風加工」なのか「実際の古材を再加工したもの」なのかは雲泥の差です。粗削りなのかプレーナー仕上げなのか、研磨・塗装・防虫処理の工程が明示されているかを確認しましょう。
**注意すべき点:**過度な再加工は古材の「らしさ」を消してしまうこともあります。用途(壁材、床材、家具など)に合った仕上げかどうかも大切です。
業者の供給体制と在庫
価格とコストパフォーマンスの確認
安定供給ができるかも非常に重要な点です。
プロジェクト単位で必要量が変動するため、在庫状況は最重要。
問い合わせ時に「今だけの在庫です」「次回入荷は未定です」という業者は注意が必要です。
倉庫の規模やストック方法の確認:良い業者は木材を屋外で雨ざらしにせず、通気性のよい倉庫で保管しています。在庫品の保管環境は、そのまま品質の保証になります。
また在庫の種類と柔軟性もチェックしましょう。
用途に応じた提案力があるか?
単に在庫の量だけではなく、幅・厚み・長さのバリエーション、樹種の豊富さなど、選択肢が多いかも重要。
特にDIYや店舗デザインの場合は、ミリ単位のサイズや希少な風合いを求めることもあります。
✅ チェックポイント
どの程度の量が即納可能か
加工前後の在庫を保有しているか
サイズや樹種の選定相談に応じてくれるか
価格が安い=得とは限らない場合もあります。
たとえば未乾燥の古材が安く売られていても、後から割れや曲がりで使い物にならないことも。価格と合わせて、含まれるサービスや状態を確認する必要があります。
「加工費・配送費・保管費」など、見積もりの内訳が明確か?
最初の見積もりが曖昧な業者は、あとから追加料金が発生するリスクが高いです。
付帯サービスの有無も必要に応じてチェックしましょう。
配送の可否・距離・日程調整が可能か?
遠方からの取り寄せになる場合、送料や輸送中の梱包管理は軽視できません。
加工やカットサービスの柔軟性
現場の設計図面を元にカット加工して納品してくれる業者なら、施工の工数が大幅に削減できます。
アフターサポートも比較材料
施工後のトラブル(反り返りや変色)について相談できる窓口があると安心です。
結局業者選びで重要なことは?
結局どれだけネットで情報を集めても、最終的には「実物を見る」か「信頼できる対応者がいるか」で決まります。
一度サンプル材を取り寄せてみる
初回相談でのメール対応や電話対応を観察する
無理に売ろうとせず、用途に合った提案をしてくれるか
このような小さな判断基準が、後悔しない業者選びにつながります。
古材のおもな種類と使用箇所
古材は、建物の構造材や内装材として使われてきた木材を再利用したものです。ここでは、代表的な古材の種類と使用箇所について解説します。
古材梁・桁・柱
梁・桁・柱は、建物を支える主要な構造材として使われてきた古材です。
梁(はり):横方向に設置される構造材で、天井や吹き抜けのアクセントとして利用されることが多い。
桁(けた):梁と似た役割を持ち、主に建物の屋根や床の荷重を支えるために使われる。
柱(はしら):建物の支えとなる縦の構造材。古材の柱は、カウンター脚やデザイン性の高いインテリア要素としても活用できる。
梁や柱は、サイズが大きく存在感があるため、インテリアに取り入れると重厚感や歴史を感じる空間を演出できます。
床・壁・カウンター
床材や壁材、カウンター材として使用される古材は、適度な厚みと耐久性があり、独特の質感が空間に温かみを与えます。
床材(フローリング):使い込まれた古材の風合いが足元から空間の雰囲気を引き立てる。
壁材 :ヴィンテージ感のある古材を壁面に使用することで、部屋全体を個性的に演出。
カウンター材:ダイニングや店舗のカウンターに古材を使用することで、ナチュラルで落ち着いた印象を与える。
どれか1つに古材を取り入れるだけで、空間をイメージチェンジできます。
古材の活用事例
ここでは、古材の活用事例をご紹介します。
住宅
古材は、住宅のデザインに温かみや味わい深さを加える素材として人気です。特に壁材や天井材として、広い範囲に使用すると空間全体が洗練された印象になります。
【秋田】古材の施工事例:一般住宅
秋田県の一般住宅では、壁と天井に「アイモンディ オーク」を使用し、木の温もりを感じられる空間を実現しました。
リビングのテレビ背面に採用されたオークの古材フローリング材は、表面処理が施されており、広葉樹特有の光沢が美しく映えるのが特徴です。厚み15mmのしっかりとしたつくりで、壁掛けテレビの下地としても問題なく使用できます。デザイン性と機能性を兼ね備えた施工例となっています。
この事例で使用した古材はこちら
imondi Oak(アイモンディ オーク)
「アイモンディ オーク」は、オーク古材の表面からわずかに内部に入った部分を活用し、古材ならではの風合いを残しつつ、上品な仕上がりを実現しています。さらに、木目を際立たせる加工とサンディング処理により、滑らかな手触りと洗練された印象を持つフローリング材として仕上げられています。
店舗デザイン
店舗デザインに古材を取り入れることで、温かみのある空間やストーリー性を持たせられます。歴史ある木材を活用すると、独自の雰囲気を演出しつつ、環境にも配慮したデザインを演出できるでしょう。
【神奈川県鎌倉市】無印良品 ルミネウィング大船
神奈川県鎌倉市の無印良品ルミネウィング大船では、壁や天井に「ステーションウッド ボードプレーン」や「ユーズドプレーン」を採用し、落ち着いた温もりのある店内を実現しました。
ステーションウッド ボード プレーンは、かつて東急電鉄旧池上駅の木造駅舎で使われていた木材をスライスして板状に加工したものです。歴史のある素材を現代の空間に活かすユニークな試みとなっています。
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ステーションウッド ボード プレーン
ステーションウッド ボード プレーンは、スライス加工が施され、建材やインテリア素材として幅広く活用できるように仕上げられています。環境負荷の低減にも貢献しながら、温かみのあるデザインを実現してくれるでしょう。
家具(棚・テーブル天板など)
古材はテーブルの天板や棚板、カウンター材としても活用でき、一点ものの家具を作るのに適しています。
【福岡県施工事例】新築住宅に古材を活用した家具づくり
古材は店舗での採用が多いですが、近年では住宅にも取り入れる事例が増えています。福岡県の新築住宅では、古材日和九州ショールームで選定した古材を活用し、テーブルの天板やカウンターを作成しました。
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ユーズドプレーン(古材足場板)
ユーズドプレーン【古材足場板】は、かつて建築現場で職人たちを支えた木材で、ペンキ跡や釘跡など当時の風合いが魅力です。寸法が均一で扱いやすく、ショップの内装や家具、アート素材としても人気があります。加工や塗装で自在にアレンジでき、環境にも優しい持続可能な素材として注目されています。
この事例で使用した古材はこちら
アイモンディ パイン
アイモンディ パインは、古材の表面をサンディング処理し、なめらかな仕上がりを実現した商品です。ささくれやケバ立ちが気になる方や、滑らかな質感を求める用途に最適です。無塗装は柔らかい印象を与え、ウレタンクリア塗装を施すと重厚感が増し、古材の風合いがより際立ちます。
信頼できる古材販売業者の選び方
古材を購入する際は信頼性の高い業者を選ぶことが重要です。ここでは、信頼できる古材販売業者を見極めるためのポイントを紹介します。
仕入れルートが明確な業者か?
古材の品質を左右する大きな要素の一つが、仕入れルートの透明性です。信頼できる業者は、どの地域のどんな建物から古材を調達しているのかを公表しています。
古材の出どころが分かると、歴史的価値や樹種の特徴を把握しやすく、用途に合った古材を選べます。また、直接仕入れを行っている業者は、不要な中間コストを省けるため、適正価格での提供が可能です。
加工・メンテナンスの対応ができる業者か?
古材は、釘や小石の付着、表面の傷みなどのリスクがあるため、適切な加工・メンテナンスが重要です。質の高い古材を扱う業者は、以下のような処理を施し、安全に利用できる状態で提供しています。
・金属探知機による異物チェック・手作業での釘抜き
・サンディング処理やクリーニングで表面を整える
・不燃処理や塗装加工など、用途に応じた追加加工が可能
また、施工後のメンテナンスや、希望するサイズへのカット、風合いの調整など、購入後のサポートが充実している業者を選ぶこともポイントです。
実績が豊富か?
古材は一点もののため、経験やノウハウを持つ業者を選ぶことが大切です。過去の施工事例が豊富な業者であれば、用途に合わせた適切な古材選びのアドバイスが受けられます。
特に、商業施設・住宅・家具など幅広い分野での実績がある業者であれば、さまざまなデザインニーズに対応できる可能性が高く、安心して相談できます。公式サイトやSNSで過去の施工事例を掲載している業者は、信頼性が高いと言えるでしょう。
古材日和の施工例は「古材の施工例WORKS」からご覧いただけます。
どこで買える?古材の購入方法
古材は購入先によって、品質・価格・取り扱いの種類が異なります。こだわりの空間づくりを目指すなら、用途に合った購入方法を選ぶことが大切です。ここでは、主な購入方法の違いを解説します。
古材専門店(種類が豊富で高品品質)
古材専門店は、質の高い古材を豊富に取り揃え、専門知識を持つスタッフが相談に応じてくれるのが特徴です。古材は、それぞれ表情が異なるため、実際に見て選べる専門店のメリットは大きいでしょう。
また、専門店ではクリーニングや加工、不燃処理などのオプション対応が充実しており、建築用途やデザインに応じたカスタマイズが可能です。商業施設や高級家具向けの古材を探している方にもおすすめです。
ホームセンター・オンラインショップ(価格が安い・手軽)
「手軽に古材を購入したい」「できるだけコストを抑えたい」という方には、ホームセンターやオンラインショップが便利です。特にDIY用途の小さな古材や、比較的手頃な価格の古材を探している場合に適しています。
オンラインショップでは、店舗に行かずに全国どこからでも購入できるため、近くに古材専門店がない方にもおすすめです。ただし、古材は一点ごとに個体差があるため、実物を見られない分、品質や風合いがイメージと異なる可能性がある点には注意が必要です。
古材を選ぶなら古材専門店「古材日和」へ
弊社古材日和は、国内外の古材を豊富に取り揃え、梁・柱・床材・カウンター材・家具用古材など、多様なニーズに対応しています。
また、古材のクリーニングや加工、不燃処理などのオプションも充実しており、住宅・店舗・商業施設向けのオーダーメイド加工にも対応。実際にショールームで古材を見ながら選ぶことができ、専門スタッフが最適な古材選びをサポートいたします。
「理想の空間に合う古材を見つけたい」「用途に合わせた加工が必要」といった方は、弊社のショールームをチェックしてみてください。
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